2016/04/10

【Isto e aquilo】 ==王国ブラジルの現状==

ブラジル滞在時に、カズ(横浜FC)やロビーニョ、そしてバルサで活躍するネイマールを輩出した名門サントスFCのフットサル部門からこんなリリースがされていた。



『当クラブのフットサルU-15チームから、サッカーブラジル代表U-15に3名が選出された。』 と。


あのネイマールも15歳までフットサルと掛け持ちをし、16歳からサッカーへ。 
そして17歳の時にブラジル代表U-17に選出されている。

Na terça-feira saiu a convocação da Seleção Brasileira SUB15 (Futebol). E com muita alegria, 3 atletas do @santosfc...
Futsal Santos Futebol Clubeさんの投稿 2016年3月31日






CBF(ブラジルサッカー連盟)公式リリースはコチラ⇓⇓

Sub-15 convocada para Torneio Delle Nazioni 2016

注)この大会は、世界各地から12か国が参加し、4/25から5/1にイタリアで開催。 

参加国>イタリア、クロアチア、スロベニア、アメリカ、カタール、イングランド、ロシア、オーストリア、日本、メキシコ、ノルウェー

先ほどのサントスFCのリリースを見て

「...???」

となった人も多いのではないだろうか?


なぜフットサルチームから
ブラジル代表サッカーU-15選手が選出されてんの?


って疑問を持たれた方も多いでしょう。




ブラジルの名門クラブと呼ばれる多くの下部組織では、フットサルチームも存在する。

その下部組織に入団している選手のほとんどはフットサルと両立している。

ただし、フットサルの監督とサッカーの監督は別になっているが、双方が密にコンタクトを取って、選手の管理をしている。




実は先日3/19から「Go Cup」のためにゴイアニア(ゴイアス州)滞在していた時にも、地元の名門クラブ・ゴイアス エスポルチ クルービ(Goias Esporte Clube)とクルゼイロのそれぞれの下部組織統括責任者からその情報は聞いていた。 


今回のU-15ブラジル代表選出人数20人中
クルゼイロ - 4人
サントスFC - 3人
クリチーバ - 5人 



 ゴイアニア滞在期間中に、サントスFC、バスコ・ダ・ガマ、クルゼイロ、フラメンゴ、フルミネンセ、ゴイアス、クルゼイロ、グレミオ、パウメイラスなどのコーチらと話す機会に恵まれ、「フットサルとサッカーの関係性」について聞いてみると、口をそろえて



「現代におけるサッカー選手育成には、フットサルの重要性は更に増している」



と言っていた。






日本みたいに、サッカーチームの指導者がフットサルチームを批判・非難するということはまず起こりえない。



ブラジルでは、それぞれがその年代に必要なことをベースに、選手達のレベルが上がるよう指導している。


サッカーに必要なことは、フットサルで指導したりと。


王国の指導者たちは、フットサルがどれほどサッカーに必要な要素が盛り込まれているのか熟知している。


その結果として、ブラジルのプロサッカー選手の8~9割がフットサル出身者だということ。






そして、試合について。



週末は1試合のみ

それは公式戦も、トレーニングマッチもだ。


トレーニングマッチについては、カテゴリーによって時間は異なるが最大で「○○分3本」までという変則もあるが、絶対として日本みたいに半日にわたって数試合行うということは絶対といっていいほどありえない。



例えば、土曜日にフットサルの試合があるとしよう。

試合は1試合のみで終わりで、日曜日は完全にオフ。



そうすると、日曜日にはサッカーの試合。

それも1試合のみで終わり。





ブラジル滞在時に日本で指導したことがあるという指導者たちがこんなことを言っていた。



日本は世界的に見て、週末の試合数は圧倒的に多い。

だが....なぜいい選手が少ないんだ?


「試合数 ≠ 試合経験値」 


たくさん試合をこなすということだけが
選手の経験値を上げるということになってないということは明らかだろう。


なぜ子どもたちの体力が落ちているという時に
練習以上に子どもたちがいいプレーができるというのか?




全く同感です。


その背景には...

ブラジルではサッカーに限らずスポーツの指導者になる人たちは必ず「Educação Fisica(エドゥカソン フィジカ)と呼ばれる体育大学を卒業しなければなりません。

その大学で、運動生理学から怪我、そしてトレーニングの理論などスポーツに関わるありとあらゆることを勉強します。

つまり、「運動(スポーツ)」についての専門家になるわけです。


ですから、体力と怪我の因果関係や、コンディションとパフォーマンスの関係性や重要性を指導者だけではなくクラブで働くスタッフや協会関係者もみな熟知している。


特に育成年代では、子どもの体を守ること。



さて...日本ではどうでしょうか?


昔サッカーをしていたという人たちが指導者になっています。


その半数以上の指導者は、体育大学で運動やスポーツについて学んでいない無知の方たちです。


サッカーの練習はできるでしょう。


だが、コンディションやフィジカルなど全くの無知の指導者が、体力的に負荷の強い練習や子どもたちの体力など考慮せずたくさんの試合数をこなすということがどれほど危険なことか...。





こういった面でも王国ブラジルと

いやサッカー先進国と呼ばれる国との「世界との差」が日本にはまだまだ根強く残っています。



王国ブラジルでは、息子がチームに入ったからという理由などで
お父さんがコーチになるということはまずはありえません。




なぜなら「コーチ」は、『職業』だからです。









今日はこの辺で....。



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